中国の大手保険会社「平安保険」が、デジタル人民元を生命保険に使用することが明らかとなりました!なお、平安保険は金融サービス分野にも中央銀行デジタル通貨(CBDC)を拡大しています。
現在、平安保険の子会社は新型コロナウイルス保険プランを深圳市南山区の医療従事者向けに開発しています。「保険料をデジタル人民元で払った利用者には割引料金が適用される」と深圳特区報は報道しています。
平安保険では、新型コロナウイルスにかかって死亡した場合30万人民元(約510万円)を、感染を診断された場合に5万人民元(約85万円)を、事故によって死亡した場合にも5万人民元(約85万円)が支払われるものとなります。
デジタル人民元ではユースケースが拡大
保険分野でデジタル人民元が試し運用されることは今回に限ったことではありませんが、一般向けに利用されることは初めてのようです。
2020年12月、デジタル人民元の試し運用に参加した人は、中国の保険スタートアップである「Zhonganのアプリ」を利用して、保険をデジタル人民元で購入できると報じられました。平安保険の関係者は、「デジタル人民元を保険金の支払いなどに使用するシステムを継続する」と、深圳特区報に述べています。
デジタル人民元は、給与支払いや小売店での支払い、地下鉄などといったさまざまなリテール分野で試し運用が行われています。
2021年7月16日、中国人民銀行は2021年6月末時点でのデジタル人民元の決済総額は345億人民元(約5500億円)、決済総数は7075万件であったと公開しました。